スポーツ現場での安全管理体制を構築する上で役立つ資料をまとめました

今回の記事では、これからスポーツ現場での安全管理体制をさらにいいものを構築しようとしているアスレティックトレーナーの方に読むことをオススメしている、無料でアクセスできるガイドラインやマニュアルなどの資料をまとめました。

UNIVAS 安全安心ガイドライン

1つ目にオススメする資料は、一般社団法人日本スポーツ協会(UNIVAS)の安全安心委員会が作成したUNIVAS 安全安心ガイドラインです。

このUNIVAS安全安心ガイドラインの初版は、2020年1月に発行し、全てのスポーツに共通する安全管理体制のあり方や心停止・頭頚部外傷(脳振盪を含めて)・熱中症などの重大事故に関する内容でした。

2022年4月にUNIVAS安全安心ガイドラインの第2版が発行され、落雷による外傷とハラスメントや暴力防止に関する内容が追加されています。

大学スポーツに関わるアスレティックトレーナーはもちろんですが、大学だけではなく、学校の部活動に関わるアスレティックトレーナーには、ぜひ読んでいただきたいガイドラインです。

もちろん、大学と中学・高校では部活動のあり方や組織運営などが異なるかと思いますが、参考になるかと思います。

また、このガイドラインは、大学にある部活動すべての部活動に対する安全安心ガイドラインのため、全てのスポーツに共通する安全管理体制のあり方について書かれているので、スポーツや競技関係なく、アスレティックトレーナーの方には一度、読んでいただきたい資料です。

FIFA医学評価研究センター(F-MARC)サッカー医学マニュアル

2つ目の資料は、国際サッカー連盟が作成したF-MARCサッカー医学マニュアルを財団法人日本サッカー協会が翻訳した資料です。

整形外科的なケガだけではなく、内科に関する内容もカバーしながら、トレーニングや栄養、ドーピングコントロールなどについても触れられています。

ラグビー外傷・障害対応マニュアル

3つ目の資料は、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会が指導者向けに発行したラグビー外傷・障害対応マニュアルです。

2019年に初刊が発行され、2021年に改訂されてから毎年改訂されています。

現在で最新はラグビー外傷・障害対応マニュアル(2024年版)になります。

また、マニュアルだけではなく、ラグビー外傷・障害対応マニュアルはアプリ版が2024年の2月から公開されていますので、ぜひダウンロードしてみてください。

ラグビーだけではなく、様々なスポーツでも活用できる内容になっています。

国際マラソン医学協会医療救護マニュアル

4つ目の資料は、International Institute for Race Medicine (国際マラソン医学協会)が作成した国際マラソン医学協会医療救護マニュアルで、日本医師会が中心になって翻訳された資料です。

2つ目の資料であるF-MARCサッカー医学マニュアルと3つ目の資料であるラグビー外傷・障害対応マニュアルは、指導者などに向けた資料になりますが、この国際マラソン医学協会医療救護マニュアルは、医療関係者向けの資料と言える内容になっています。

まとめ

今回は、4つの資料について紹介させていただきましたが、日本語で無料で全文アクセスできるオススメの資料があれば、追記していきたいと思っています。

皆さんも何かオススメの資料があれば、教えていただけると嬉しいです。

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ジンノウチ シュンアスレティックトレーナー
NPO法人スポーツセーフティージャパンに所属。 2011年に米国公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)になり、2013年にスポーツ医学/ バイオメカニクスで修士課程を修了し、日本に帰国。 選手や保護者など一般の方を対象に、スポーツ関連脳振盪の啓発のため、Facebookで「脳振盪ネットワーク」のページを運営。「脳振盪ハブ」では、スポーツ現場で活動するスポーツ医科学の専門家に向けて情報を発信中。