「え、人が倒れたらまずは呼吸の有無の確認ではないの?」
「死戦期呼吸って何?どうやって見分ければいいの?」
死戦期呼吸とは?
死戦期呼吸(しせんきこきゅう)とは、死んでしまう前の喘ぎ呼吸で突然心停止のサインとして代表的なものです。
口が開いたまま、顎や頭、首を動かしながら呼吸をしていたり、いびきやうめきのように聞こえる場合もあります。
下顎や鼻が動いていたとしても、胸は動かずに肺に空気が送られていない呼吸です。
普段通りの呼吸かどうかで判断することの重要性
ヒトが倒れて安全を確認し、緊急時かどうかを判断するためには意識と呼吸を確認する必要があります。

緊急時かどうかを判断するための初期評価については下記の記事で解説しています。
意識を確認した後に「呼吸があるかないか」で判断してしまうと、死戦期呼吸の場合には「呼吸がある」と判断されてしまいます。
死戦期呼吸は突然心停止のサインであり、すぐに胸骨圧迫とAEDの使用が求められる状況です。
死戦期呼吸をしていて、「呼吸がある」と判断された場合には、「意識がない」ので救急車を要請して到着するのを待っている状況です。
意識を確認して緊急時と判断し、救急車を要請することは重要になりますが、心停止の場合には一刻も早く胸骨圧迫を始め、AEDを使用することが重要です。
判断基準が「呼吸があるかないか」にしてしまうと心停止のサインを見過ごしてしまい、必要な胸骨圧迫とAEDの使用が遅れてしまう可能性があります。
死戦期呼吸のような心停止のサインを見過ごさないように決められた判断基準が「普段通りの呼吸かどうか」です。
死戦期呼吸の見分け方
死戦期呼吸の見分け方は「普段通りの呼吸かどうか」です。
5秒以上10秒以内で顔、胸部と腹部の動きを見て、普段の呼吸をしているかどうかを判断します。
特に、死戦期呼吸の場合は胸部の動きがないことが特徴なのでしっかりと観察してください。

「死戦期呼吸」を見分けられるか不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、緊急かどうかを判断する場合には、わからないときには最悪な場合を想定して動くようにすることです。
忘れてはいけないのが、「普段通りの呼吸かどうか」は意識を確認した後です。
意識がなく緊急時と判断し、「普段通りの呼吸かどうか」を見分けようとして胸部と腹部の動きを見ます。
普段通りの呼吸をしているのかわからない場合には、最悪のことを想定して「普段通りの呼吸ではない」と判断してください。
昔は呼吸の有無の確認でしたが、今は呼吸が普段通りを確認します。
今回の記事では、呼吸の有無ではなく、普段通りの呼吸かどうかで判断することの重要性や死戦期呼吸を見分けて緊急時と判断できるように解説します。