「脳振盪の評価をしているときのレッドフラッグって何?」
「脳振盪を評価しているときにどう緊急事態と判断すればいいの?」
脳振盪の疑いがある場合には、すぐにプレーを中止する必要があります。すべての脳振盪が緊急時と判断する必要はありません。
しかし、頭部への直接的な打撃や頭部や顔以外の部位に衝撃があり、脳を揺らすようなものであれば、緊急時と判断する必要のある場合があります。
レッドフラッグ(警告)とは?
レッドフラッグ(警告)とは、第5回国際スポーツ脳振盪会議の合同声明と一緒に公開された脳振盪を疑ったときのツール(CRT5)のステップ①です。
脳振盪を起こす可能性のある頭部への直接的な打撃や頭部に伝わる他の部位の衝撃があり、レッドフラッグを確認した際には、緊急時対応が必要と判断し、すぐに緊急時対応計画(Emergency Action Plan: EAP)に載っている最寄りの救急医療機関への搬送や受診をする必要があります。
EAPについてわからない方はぜひ下記の記事を読んでください。
脳振盪は、どのスポーツでも起こり得るため、EAPには緊急度の高い頭頚部外傷を疑った際に迅速に搬送できるように脳神経外科など重度の頭頚部外傷に対して救命処置を実施できる救急医療機関を事前に調べておく必要があります。
- くびが痛い/押さえてると痛む
- 一瞬でも意識を失った
- ものがだぶって見える
- 反応が悪くなってくる
- 手足に力が入らない/しびれる
- 嘔吐する
- 強い頭痛/痛みが増してくる
- 落ち着かず、イライラして攻撃的
- 発作やけいれんがある
脳振盪のレッドフラッグ(警告)?それとも?
このレッドフラッグ(警告)は、脳振盪の評価をするためのツールであるCRT5のステップ①ですが、脳振盪を含めた頭頚部外傷のレッドフラッグ(警告)として認識しておく必要があります。
脳振盪は脳の機能障害であり、器質的には脳の損傷がありませんが、レッドフラッグ(警告)が出現した際には、頭部、特に脳や頚部の器質的損傷を疑います。
レッドフラッグでEAPの発動
レッドフラッグが確認された場合には、緊急時と判断する必要があるので、EAPを発動します。
いつ緊急時と判断する必要があるかは、指導者や選手、保護者、大会運営者などスポーツ現場の関係者は全員知っておく必要があります。
アスレティックトレーナーなどの専門家は、スポーツ現場で活動する際にはしっかりとこのレッドフラッグ(警告)は頭の中に入っていますが、指導者や選手などは、常に覚えているとは限りません。
いざという時には忘れてしまう可能性もあります。
CRT5は脳振盪の疑いがある際にはスポーツ現場で静かな場所で評価するためのツールなので、必ず救急箱の中やスポーツ現場に持って行く書類の中に数枚のコピーは入れておきましょう!
今回の記事では、脳振盪を起こすような衝撃があった場合に緊急対応が必要と判断できるために知っておくべき「レッドフラッグ(警告)」について説明します。